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速さ・時間・道のりの公式|時速・分速・秒速の換算早見表と文章題の解き方
速さ=道のり÷時間、道のり=速さ×時間、時間=道のり÷速さ。時速・分速・秒速の換算早見表(時速4km=分速約66.7m)、「はじき」に頼らない考え方、旅人算・通過算を含む例題と検算を載せています。

結論:速さ=道のり÷時間、道のり=速さ×時間、時間=道のり÷速さ
速さ・時間・道のりの関係は、速さ=道のり÷時間、道のり=速さ×時間、時間=道のり÷速さの3つの式で表せます。3つは同じ関係を別の向きから見たものなので、1つ目の式を意味と一緒に覚えておけば、残りの2つはかけ算とわり算の関係から作り直せます。時速・分速・秒速の換算は、時速(km)を1000倍してmに直し、60でわると分速、それをさらに60でわると秒速です。時速4kmは分速約66.7m・秒速約1.11m、時速36kmは分速600m・秒速10mです。
速さは小学校5年で習います。文部科学省の小学校学習指導要領(平成29年告示)は、第5学年の「C変化と関係」に「速さなど単位量当たりの大きさの意味及び表し方について理解し,それを求めること」を挙げています。学習指導要領解説(算数編)によると、速さは前の学習指導要領では6年の内容で、今回の改訂で5年に移りました。新しい学習指導要領は2020年度から全面実施されています。
解説は、速さを「単位時間当たりに移動する長さ」ととらえ、(速さ)=(長さ)÷(時間)と表せると説明し、時速60kmとは1時間に60kmの長さを移動する速さだと例を挙げています。この記事では、移動する長さを「道のり」と呼びます。
| 求めるもの | 式 | 計算例 |
|---|---|---|
| 速さ | 道のり÷時間 | 120km÷3時間=時速40km |
| 道のり | 速さ×時間 | 時速40km×3時間=120km |
| 時間 | 道のり÷速さ | 120km÷時速40km=3時間 |
| 表し方 | 意味 | 記号の例 |
|---|---|---|
| 時速 | 1時間あたりに進む道のり | km/h(キロメートル毎時) |
| 分速 | 1分間あたりに進む道のり | m/min |
| 秒速 | 1秒間あたりに進む道のり | m/s(メートル毎秒) |
時速・分速・秒速の換算早見表
換算のもとになるのは、1時間=60分=3600秒と、1km=1000mの2つの関係です。時速○kmは「1時間に○km」なので、mに直すと「60分で○×1000m」、1分あたりにすると○×1000÷60mが分速です。秒速はさらに60でわります。まとめて計算すると、時速(km)÷3.6=秒速(m)です。1000÷3600を約分すると1÷3.6になるからです。逆に、秒速(m)を3.6倍すると時速(km)になります。「秒速1m=時速3.6km」を覚えておくと、時速36km=秒速10m、時速72km=秒速20mのような換算が暗算でできます。
| 時速 | 分速 | 秒速 |
|---|---|---|
| 時速1km | 分速約16.7m | 秒速約0.28m |
| 時速3.6km | 分速60m | 秒速1m |
| 時速4km | 分速約66.7m | 秒速約1.11m |
| 時速4.8km | 分速80m | 秒速約1.33m |
| 時速5km | 分速約83.3m | 秒速約1.39m |
| 時速6km | 分速100m | 秒速約1.67m |
| 時速10km | 分速約166.7m | 秒速約2.78m |
| 時速12km | 分速200m | 秒速約3.33m |
| 時速18km | 分速300m | 秒速5m |
| 時速20km | 分速約333.3m | 秒速約5.56m |
| 時速30km | 分速500m | 秒速約8.33m |
| 時速36km | 分速600m | 秒速10m |
| 時速40km | 分速約666.7m | 秒速約11.11m |
| 時速50km | 分速約833.3m | 秒速約13.89m |
| 時速60km | 分速1000m | 秒速約16.67m |
| 時速72km | 分速1200m | 秒速20m |
| 時速80km | 分速約1333.3m | 秒速約22.22m |
| 時速100km | 分速約1666.7m | 秒速約27.78m |
| 時速120km | 分速2000m | 秒速約33.33m |
| 時速300km | 分速5000m | 秒速約83.33m |
| 換算 | 計算 | 例 |
|---|---|---|
| 時速(km)→分速(m) | ×1000÷60 | 時速12km → 12×1000÷60=分速200m |
| 分速(m)→秒速(m) | ÷60 | 分速300m → 300÷60=秒速5m |
| 時速(km)→秒速(m) | ÷3.6 | 時速72km → 72÷3.6=秒速20m |
| 秒速(m)→時速(km) | ×3.6 | 秒速10m → 10×3.6=時速36km |
| 分速(m)→時速(km) | ×60÷1000 | 分速80m → 80×60÷1000=時速4.8km |
身近な例に、不動産広告の「駅から徒歩○分」があります。不動産の表示に関する公正競争規約施行規則は、徒歩による所要時間を「道路距離80メートルにつき1分間を要するもの」として計算し、1分未満の端数が出たときは1分とすると定めています(第9条第9号)。分速80mは、時速にすると4.8kmです。駅まで道路距離1000mの物件なら、1000÷80=12.5で、端数を切り上げて「徒歩13分」と表示します。広告の表示をそろえるための決まりなので、実際に歩いてかかる時間とは同じとは限りません。
「はじき」「みはじ」とは? 覚え方に頼りすぎない考え方
「はじき」は、速さ(は)・時間(じ)・距離(き)の頭文字を使った覚え方です。「き」を上の段に書き、その下の段に「は」と「じ」を左右に並べた図を作ります。求めたいものを指で隠し、残った2つが上下に並んでいればわり算(上÷下)、左右に並んでいればかけ算と読み取ります。たとえば「じ」を隠すと上に「き」、下に「は」が残るので、時間=距離÷速さです。「みはじ」は、距離の代わりに道のり(み)を上の段に置いた同じ形の覚え方です。どちらも、学習指導要領や解説には出てこない呼び名です。
覚え方は手早く式を選ぶのに便利ですが、図の配置を取り違えると式も逆になり、単位がそろっていない問題では図だけでは答えが出ません。図を忘れたときや迷ったときに式を自分で組み立て直せるように、次の2つの考え方も持っておくと安心です。
1つ目は、単位から式を読むことです。時速60kmは「1時間あたり60km」という意味で、km/hという記号も「km÷時間」の形をしています。だから速さ=道のり÷時間です。分速80mで15分歩いた道のりなら、「1分あたり80m」が15分ぶんあるので80×15=1200m、と「1あたりの量×いくつ分」のかけ算として読めます。時間を求めるときは、道のりの中に「1あたりの量」がいくつ分あるかを考えるので、道のり÷速さになります。
2つ目は、簡単な数に置きかえて確かめることです。「時速4kmで2時間歩くと8km」のように答えがすぐわかる場面を思い浮かべ、8=4×2、4=8÷2、2=8÷4と並べてみれば、どれがかけ算でどれがわり算かを自分で確かめられます。6年で習う比例を使って、速さが一定なら道のりは時間に比例する(時間が2倍、3倍になれば、道のりも2倍、3倍になる)と見ることもできます。学習指導要領解説も、6年の比例の学習で、5年で学んだ(長さ)=(速さ)×(時間)を比例の関係としてとらえ直す児童の発言例を挙げています。
速さの文章題の例題と検算
例題1「時速45kmで2時間30分走ると、何km進みますか。」2時間30分を時間だけで表すと、30分は30÷60=0.5時間なので2.5時間です。道のり=速さ×時間で45×2.5=112.5kmです。検算:112.5÷45=2.5時間で、問題の時間に戻ります。2時間30分を「2.3時間」として計算するのは、時間を十進法で読んだ誤りです。
例題2「3kmの道のりを分速60mで歩くと、何分かかりますか。」速さの単位がmなので、道のりもmにそろえて3000mとします。時間=道のり÷速さで3000÷60=50分です。検算:60×50=3000m=3kmです。
例題3「1.2kmを15分で歩きました。分速何mですか。時速では何kmですか。」速さ=道のり÷時間で1200÷15=分速80mです。時速に直すと80×60=4800m、つまり時速4.8kmです。検算:時速4.8kmで15分(0.25時間)歩くと、4.8×0.25=1.2kmになります。
例題4「時速36kmで進む乗り物は、25秒間に何m進みますか。」時間の単位が秒なので、速さを秒速に直します。36÷3.6=秒速10mなので、10×25=250mです。検算:250÷25=秒速10m、10×3.6=時速36kmです。
例題5「12kmの道を、行きは時速6km、帰りは時速4kmで往復しました。往復の平均の速さは時速何kmですか。」行きは12÷6=2時間、帰りは12÷4=3時間かかったので、往復24kmを5時間で進んだことになり、24÷5=時速4.8kmです。(6+4)÷2=時速5kmとするのは誤りです。遅い帰りのほうが長い時間かかっているので、平均の速さは5kmより遅くなります。平均の速さは、全体の道のり÷全体の時間で求めます。検算:4.8×5=24kmです。
旅人算・通過算は「近づく速さ」と「進む道のり」で考える
2人が向かい合って進むとき、2人の間は1分あたり2人の速さの和だけ縮まります。同じ向きに進んで後ろから追いかけるときは、1分あたり速さの差だけ縮まります。この「間が縮まる速さ」を使えば、出会う時間や追いつく時間は、最初に離れている道のり÷縮まる速さで求められます。
例題6「2.4km離れた地点から、Aさんは分速70m、Bさんは分速50mで、向かい合って同時に歩き始めます。何分後に出会いますか。」1分で70+50=120mずつ近づくので、2400÷120=20分後です。検算:20分でAさんは70×20=1400m、Bさんは50×20=1000m進み、合わせて2400mになります。
例題7「弟が分速60mで家を出てから10分後に、兄が自転車に乗り、分速180mで同じ道を追いかけました。兄は出発してから何分後に弟に追いつきますか。」兄が出発するとき、弟は60×10=600m先にいます。1分で180−60=120mずつ差が縮むので、600÷120=5分後です。検算:兄は180×5=900m、弟は60×(10+5)=900m進んでいて、同じ地点にいます。
列車が鉄橋やトンネルを通る問題(通過算)では、列車の長さを忘れないことが大切です。「渡り始めてから渡り終わるまで」は、列車の先頭が橋に入ってから最後尾が橋を出るまでなので、列車が進む道のりは橋の長さ+列車の長さです。
例題8「長さ150mの列車が時速72kmで、長さ450mの鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまで、何秒かかりますか。」時速72km=秒速20mです。進む道のりは450+150=600mなので、600÷20=30秒です。同じ列車が電柱の前を通り過ぎる時間なら、列車の長さ150mだけ進めばよいので、150÷20=7.5秒です。
よくある疑問
時間に小数が出たときは、60をかけて分に直します。1.2時間は1.2×60=72分で1時間12分、0.75時間は45分です。反対に、分を時間に直すときは60でわります。時間・長さの単位どうしの関係は、このサイトの単位換算の早見表の記事にまとめています。
算数で扱う速さは「どれだけ速いか」だけを表す量で、どちらの向きに動いているかは考えません。中学校学習指導要領(平成29年告示)の理科は、第1分野の「運動とエネルギー」(第3学年で扱う)で、物体の運動の観察、実験を通して「運動には速さと向きがあること」を知るとしていて、中学校の理科では運動の向きもあわせて考えるようになります。
速さが一定でない場合、算数の文章題では、全体の道のりを全体の時間でわった「平均の速さ」を考えます。例題5のように、2つの速さを足して2でわる方法では、それぞれの区間にかかった時間の違いが反映されないので、正しい平均の速さになりません。
参考資料
- 小学校学習指導要領(平成29年告示)第2章第3節 算数 第5学年 内容C⑵(文部科学省)(確認日:2026-11-01)
- 小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編(文部科学省)p.11、pp.264-265、p.319(確認日:2026-11-01)
- 中学校学習指導要領(平成29年告示)第2章第4節 理科 第1分野 内容⑸・内容の取扱い(文部科学省)(確認日:2026-11-01)
- 計量単位令(平成四年政令第三百五十七号)別表第一(e-Gov法令検索)(確認日:2026-11-01)
- 不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則 施行規則第9条第9号(不動産公正取引協議会連合会)(確認日:2026-11-01)